肥満になると、いろいろな生活習慣病の原因になるので、ダイエットをしようと考えているひとがたくさんいます。ダイエットをするときには、脂肪を燃焼させることを目的にしますが、脂肪には、中性脂肪や内臓脂肪、皮下脂肪という種類があります。これらは、それぞれどのようなはたらきをしていて、どのようにして燃焼させることができるのでしょうか?今回は、中性脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪それぞれの働きや違い、燃焼方法をご説明します。

中性脂肪の役割とは?燃焼方法は?

中性脂肪とは

脂肪の中でも、中性脂肪が増えると生活習慣病のリスクが高まると言われています。健康診断の際にも、中性脂肪値が高いから気をつけた方が良いなどと言われることが多いです。それでは、この中性脂肪とは、いったいどのような脂肪なのでしょうか?
中性脂肪は、体中にある脂肪のほとんどです。役割は、人間に必要なエネルギーを貯蓄することです。
人間は、しばらく食べ物を食べなくても生きていることができます。それは、中性脂肪にエネルギーを蓄えているからです。食べ物が外から入ってこなくなると、中性脂肪を分解して、しばらくの間耐えることができるということです。
このように、中性脂肪は、人間の命をつなぐ働きをするものですから、人間の身体にとって必要な成分です。
近年では中性脂肪が健康の敵のように言われることが多いですが、実際には中性脂肪がないと人間は生きていけないので、すべての中性脂肪をなくすことは不可能です。


また、中性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪の原料にもなります。中性脂肪は、血液に乗って、体中を循環しています。これが体表に近い場所に滞留すると皮下脂肪になりますし、内臓の周りに滞留すると内臓脂肪になります。中性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪と異なる組織というものではなく、中性脂肪がどこにあるかによって、皮下脂肪・内臓脂肪という呼び名が変わるのだと理解すると正しいです。

中性脂肪を燃焼させる方法は?

中性脂肪は、このように人間の身体にとって必要な成分ではありますが、溜まりすぎると身体に悪影響があることは確かです。血中の中性脂肪が増えすぎると、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などのさまざまな生活習慣病の原因になります。
そこで、中性脂肪を下げるための方法が重要です。
中性脂肪を減らすには、食事の改善と運動が効果的です。
食生活の改善方法としては、まずは糖分や脂質の過剰摂取を控えることです。今の食生活で脂っこいものや甘いもの、酒類などを取り過ぎている場合には、控えるようにしましょう。
効果的に中性脂肪を減らすことができる食品もあります。たとえば、DHAやEPAをとると、血中の中性脂肪を減少させる効果があります。そこで、DHAやEPAがたくさん含まれている青魚を意識して食べるようにすると良いでしょう。

参考:中性脂肪を下げるための食品は?食事習慣の改善ポイントは?

日頃身体を動かしていない人は、運動をすると、中性脂肪がかなり効果的に減ります。運動の中でも、有酸素運動をすると直接的に中性脂肪を燃焼させることができるので、効果が高いです。

毎日の生活にウォーキングやジョギング、水泳や水中歩行などの運動を習慣づけると良いでしょう。

参考:中性脂肪を下げるための運動は有酸素運動?無酸素運動?

内臓脂肪の特徴は?燃焼方法は?

次に、内臓脂肪の特徴と、燃焼方法をご説明します。
内臓脂肪とは、名前の通り、内臓の周りについている脂肪のことです。
女性よりも男性につきやすいですが、閉経後の女性にもつきやすくなります。また、男女ともに、年齢を重ねると溜まりやすくなります。
内臓脂肪は、人間に必要なエネルギーを貯蔵するための組織です。ただ、これが溜まりすぎるとさまざまな生活習慣病の原因になります。
内臓脂肪は、中性脂肪が内臓の周りに溜まったものなので、中性脂肪値が高いと内臓脂肪も溜まりやすくなります。
また、内臓脂肪は、体内の内臓の周囲についているので外見からはわかりにくいもの特徴的です。

内臓脂肪がたくさんついていても、外目には太っていることがわからないケースも多いです。このような人は、やせているのに体脂肪率が高いのです。外目からはわからない内臓脂肪型肥満の人のことを、「隠れ肥満型」とも言います。

そこで、内臓脂肪があるかどうかを正確に測るためにはCTスキャンなどの画像撮影をして、身体の断面をチェックしなければなりません。
体脂肪計を使った場合、簡単ではありますが、内臓脂肪をレベル表示されるので、多いか少ないか程度は把握できます。
内臓脂肪によって肥満になっている場合には、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病になりやすく、動脈硬化や脳梗塞などのリスクも上がるので、注意が必要です。
最近よく聞く「メタボリックシンドローム」も、内臓脂肪型の肥満の典型的なケースで、メタボリックシンドロームになった場合には、治療が必要だと考えられています。
内臓脂肪は非常につきやすい脂肪ですが、筋肉を動かすときのエネルギー源になるものなので、分解されやすく代謝が活発です。そこで、比較的減らしやすい脂肪であり、食生活の改善や運動の習慣づけなどによって、落としやすいです。
まず、溜まった内臓脂肪を燃焼させるには運動が大切です。毎日ウォーキングなどの有酸素運動を続けると、効果的に内臓脂肪を落とすことができます。
また、中性脂肪対策と同様、脂っこい食事を控えることや、DHAなどの成分を積極的にとることも、内臓脂肪の減少効果があります。

皮下脂肪の特徴は?燃焼方法は?

次に、皮下脂肪について見てみましょう。皮下脂肪とは、人間の体表に近い部分、皮膚の下に溜まった脂肪のことです。皮膚の下につくから皮下脂肪と呼ばれ、外目にもわかりやすい脂肪です。触ると、ぷにぷにとした感触があります。
男性よりも女性につきやすいのが特徴です。これは、皮下脂肪の役割と関係があります。
皮下脂肪は、外部からの衝撃から人間の身体を守ったり、人間の体温を維持したりする役割を持ちます。そこで、女性が妊娠しているときなどに赤ちゃんを守ることができるよう、女性につきやすくなっているのです。このように、皮下脂肪は人間の身体を守るものですから、人間にとって必要です。
また、皮下脂肪は、内臓脂肪とは異なり、生活習慣病にはつながりにくいです。
ただし、増えすぎると膝や関節に対する負担が大きくなり、関節を痛めたり歩きにくくなったりするおそれがあります。

また、内臓脂肪と比べて、ダイエットをしても落としにくいのも難点です。

ただ、地道に食生活を改善して運動を続けていたら、脂肪が燃焼されて、だんだんと落ちてきます。皮下脂肪は生活習慣病につながりにくいので、あせらずゆっくり落としていくと良いでしょう。

ちなみに体脂肪とは?

最後に体脂肪とは何か、確認しましょう。体脂肪は、身体中の全ての脂肪の総称です。中性脂肪も内臓脂肪も皮下脂肪も、すべて体脂肪の1種です。
体脂肪は、ホルモンの構成成分にもなりますし、人間の体温を保ったり、外部の衝撃から人間の身体を守ったりする役割を果たします。
ただし、体脂肪が増えすぎるということは、中性脂肪や内臓脂肪なども増えると言うことなので、恐ろしい生活習慣病につながります。
体脂肪率が高い人は、食事療法と運動療法によって、体脂肪値を正常に戻すことが推奨されます。

まとめ

以上のように、人間の脂肪には中性脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪があります。中性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪の原料となるものですが、中性脂肪や内臓脂肪が増えると生活習慣病につながりやすいので、注意が必要です。これらの脂肪が増えた場合には、食事療法と運動療法によって改善出来ます。
糖質や脂質を控えてDHAやEPAを積極的に摂り、毎日の運動を習慣づけして効果的に増えすぎた体脂肪を落としましょう。