中性脂肪値が上がると、身体にいろいろな悪影響があります。動脈硬化が起こり、脳梗塞や脳出血などの脳の疾患、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、腎硬化症や腎不全などの腎臓疾患、脂肪肝・糖尿病などの原因にもなります。
このような中性脂肪値を下げるには、DHAやEPAを摂ると良いと言われていますが、本当でしょうか?
今回は、DHAやEPAのサプリに中性脂肪を下げる効果があるのかどうか、解説します。

中性脂肪を下げる効果は特にEPAにある?

今、健康のためにDHAやEPAのサプリを日常的に服用している人は、たくさんいます。
DHAやEPAは、青魚に多く含まれる必須脂肪酸の1つです。どちらもオメガ3脂肪酸に分類されるもので、血中の中性脂肪値やコレステロール値などを下げる効果が高いので、血液どろどろが気になっている人に人気があります。
DHAもEPAも似た働きをします。これらは2つとも、中性脂肪値やコレステロール値、血糖値などを下げる効果があり、アレルギー症状の緩和効果や抗炎症効果などもあるとされています。
さらに、DHAやEPAと同じオメガ3脂肪酸には、αリノレン酸などもあります。
この中で、EPAは、特に中性脂肪値を下げる効果があると言われていますが、本当なのでしょうか?
この点について、調べた実験結果があるので、ご紹介します。

実験1

その実験では、中性脂肪値が100~300mg/dlの人を2つの集団に分けて、1つの集団にはEPAを含んだ飲料を飲ませ、もう1つの集団にはオリーブ油を混ぜた飲料を飲ませました。そして、3ヶ月後にそれぞれの集団の中性脂肪値を測定したのです。
その結果、オリーブ油が入った飲料を飲んだ方のグループの人は、中性脂肪値に特に変化がありませんでした。これに対し、EPAが入った飲料を飲んだグループの人は、実験を始めた当初の中性脂肪値が平均170mgくらいだったのが、4週間後には145mgになり、8週間後には132mgに減り、12週間後(3ヶ月後)には134mgになったので、明らかに中性脂肪値が減少したのです。

なお、この実験では、EPAを摂取したグループにおいて、悪玉コレステロールが減って善玉コレステロールが増える効果も見られました。

実験2

EPAの中性脂肪値低下作用については、もう1つ実験が行われています。
その実験は、ラットを使ったものです。ラットをいくつかのグループに分けて、オメガ3系脂肪酸であるDHAとEPA、αリノレン酸をそれぞれ継続的に与えて、血中及び肝臓内の脂質の量を比較しました。
その結果、EPAを与えたラットのグループにおいて、中性脂肪値がもっとも低下したのです。
このように、EPAは、他のオメガ3脂肪酸と比べても、明らかに中性脂肪値を減少させる効果が高いといえます。
EPAは、中性脂肪値を下げるための薬にも使われています。

参考:DHAとEPAの違いは?一緒に摂取すべき?相乗効果があるの?

EPAが中性脂肪を下げるメカニズムとは?

以上のように、実験によってもEPAの中性脂肪値を下げる効果は実証されていますが、EPAは、具体的にどのようなメカニズムによって中性脂肪値を下げているのでしょうか?
これには、いくつかの要因があります。

中性脂肪の吸収を抑制する

まず、EPAは腸において中性脂肪が吸収されるのを抑える働きをします。
このことによって、腸からの中性脂肪吸収量が減って、血中の中性脂肪値が下がります。また、EPAは、肝臓での中性脂肪の合成量を抑える働きもします。

これは、EPAは、肝臓に取り込まれると、酵素阻害の効果を発揮するので、中性脂肪が合成されるのを抑制する効果があるためです。
このことによって、体内で生成される中性脂肪の量が減るので、効果的に中性脂肪を減らすことができます。

中性脂肪の運搬を抑制する

次に、EPAは、肝臓から分泌されるVLDLという物質が分泌されるのを抑制する働きをします。VLDLは、血液内で中性脂肪を運ぶ成分なので、これが増えると血中の中性脂肪値が増えてしまいます。EPAはこのVLDLを減らすので、血中での中性脂肪の運搬が行われなくなり、効果的に中性脂肪値を減らすことができます。

中性脂肪の代謝を促進する

そして、EPAは血中に流れる中性脂肪の代謝を促進する作用も持っています。中性脂肪を燃焼させるには、リパーゼという物質が必要ですが、EPAはこのリパーゼを活性化させることができるのです。このことにより、同じ運動をしても中性脂肪が燃焼しやすくなり、中性脂肪を効果的に減らすことができます。


以上のように、EPAは、そもそも中性脂肪が生産されることを防ぎ、中性脂肪が吸収されることを防ぎ、さらにできてしまった中性脂肪が血中で運ばれるのを防ぎ、さらには中性脂肪を効果的に燃焼させることができるものなので、まさしく中性脂肪値を減らすための物質であると言っても過言ではないほどです。
もちろん、中性脂肪値だけではなくコレステロール値低下作用や血糖値低下作用などの健康増進効果も高いので、中性脂肪の低下だけではないのですが、中性脂肪値を効果的に下げたい人には、まさしくおすすめの成分です。

消費者庁も効果があることを認めている?

消費者庁の調査結果

以上のように、中性脂肪値を低下させるためには、EPAが非常に効果的です。このようにEPAが中性脂肪値を低下させる効果については、国の消費者庁も認めています。
以下では、消費者庁が行った、各食品の健康機能成分の調査の内容と結果をご紹介します。
消費者庁は、食品の機能性評価モデル、という栄養分についての調査を行っています。
この調査では、健康増進効果が高いとされている11種類の健康機能成分について、いろいろな健康増進効果があるかどうかを調べてそれぞれの効果について、6段階のランク付けをしました。DHAやEPAも対象となっており、他に対象となった栄養成分には、健康増進効果があるとされているコエンザイムQ10やヒアルロン酸などがあります。ランクは、AからFまでの6段階でした。


ここで、DHAやEPAは、血中中性脂肪の低下作用の項目において、最高のランクであるA評価を獲得しました。これは、調査対象となった11種類の栄養成分の中で、唯一のもので、DHAやEPAがいかに中性脂肪値を効果的に減らす成分であるかがわかります。
また、DHAやEPAがAランクとして評価された効果は他にもあり、心臓や血管のリスク低減や関節リウマチ症の緩和作用でも、Aランクとなっています。
さらに、乳児の生育や行動、視覚発達の補助、血圧改善効果やうつ症状の緩和、うつ症状の発生率低下作用などについても、DHAやEPAはBランクやCランクとなっており、高い評価を受けています。
このように、DHAやEPAは、中性脂肪値を減らす作用を初めとして、非常に健康増進効果が高いことについて、消費者庁のお墨付きをもらっていると言っても良いのです。
国のお墨付きを受けたことによって、日本でもDHAやEPAのサプリが注目されています。
また、消費者庁で確認された効果以外にも、DHAやEPAには健康増進効果があります。たとえば、脳卒中や心臓病、さらには認知症に対しても効果があるとされています。
反対に、DHAやEPAが不足すると、生活習慣病や肥満、脂肪肝などにつながりやすいとも言われているので、これらの成分を日常生活の中で効果的に摂取する必要があります。

DHAやEPAを効果的に摂る方法

DHAやEPAは、青魚に多く含まれていますが、毎日青魚を食べるのは大変なので、サプリを利用して摂取する方法が効果的です。
海外ではDHA・EPAのサプリメントは広く普及していますが、日本では比較的市場規模が小さいです。ただ、最近では、国のお墨付きを受けたことなどによって、非常に多くのDHA・EPAサプリが販売されるようになってきています。

それぞれの商品によって特徴があり、DHAやEPAの含有量が多いもの、飲料タイプのものと錠剤、カプセル状のもの、抗酸化成分がたくさん入っているもの、αリノレン酸が入っていて相乗効果が期待できるものなど、いろいろな種類があります。
中性脂肪値が気になっている人は、是非ともDHAやEPAのサプリを毎日の無用にすると良いでしょう。

まとめ

今回は、DHAやEPAのサプリが中性脂肪値を低下させる作用を持っているのかについて、ご紹介しました。DHAやEPAの中でも特にEPAは中性脂肪値を低下させる効果が大きいです。また、消費者庁も、DHAやEPAによる中性脂肪値低下の効果を認めています。
このようにDHAやEPAには中性脂肪を効果的に減少させる作用があるので、今、血中の中性脂肪値が気になっている人は、是非とも毎日の生活にDHAやEPAのサプリを取り入れることをおすすめします。