現代の日本人は、昔と比べて魚を食べることが少なくなっているため、魚に含まれる必須脂肪酸であるDHAやEPAが不足しがちです。
そこで、DHAやEPAを補うため、サプリなどによってこれらの成分をとることが多いですが、サプリの飲み過ぎによって副作用が出ることなどはないのでしょうか?
今回は、DHAやEPAの一日の摂取量の目安と、過剰摂取による副作用の有無について、解説します。

DHA・EPAの摂取量の目安は?

まずは、DHAやEPAの適切な摂取目安はどのくらいになっているのか、見てみましょう。
DHAやEPAは、人間が生きていくための必要な栄養分です。血管を柔らかくしたり、血栓を取り除いたりして血液の流れを良くしたり、人の脳に働きかけて記憶力や集中力を維持したりする働きがあります。
また、視力を高める効果もあるとされています。
このように重要なDHAやEPAですが、人間は、自分の体内では作ることができないので、すべて外部から摂取しなければならないのです。
厚生労働省の研究発表によると、人の一日のDHAやEPAの摂取目安量は、1000mgとされています。
DHAやEPAはマグロや鰹などの青魚に多く含まれていますが、1000mgというと、魚に換算すると90gにもなります。

マグロの刺身なら、だいたい6~7切れ程度です。ブリのぶつ切りなら一切れの半分くらい、サンマなら中型のもので半分くらいが目安になります。
これを聞くと、「それくらいなら食べられる」と思うかもしれませんが、この分を毎日とり続けるのは大変です。一日で、必ず一食は青魚のメニューにしなければならないので、外食が多い場合には難しくなることが多いですし、自宅で料理をするにしても、かなりの手間になってしまいます。また、魚が好きではない人もいるでしょう。

参考:DHA・EPAを多く含む魚・食品は?効率的に摂るための調理法は?

実際、日本人が実際に一日に摂取しているDHAやEPAの量は、全年齢を平均すると71.3g程度とされています。
年齢別に見ると、20代では64.3gとなっているので、若い人は魚が足りていないことがわかります。
DHAやEPAは、血液をさらさらにする作用があるため、50代以上のシルバー世代に人気がありますが、実際にこれらの成分が足りていないのは、むしろ若者の方かもしれません。

今は多くの家庭で肉食がメインの食事が増えており、夕食で魚をメインにしている家庭は全体の1割程度にしかなっていないというアンケート結果もあります。
このようなことから、魚からとれない分を、DHAやEPAのサプリによって補給する人が増えています。DHAやEPAサプリにはいろいろなものがありますが、1日分で500mg以上の成分が含まれているものもあり、効果的に必要なDHAやEPAを摂取出来ます。

参考:DHA・EPAは魚で摂る?サプリで摂る?どっちがオススメ?

過剰摂取は良くない?

サプリを使うと効果的にDHAやEPAを摂取出来るので、日頃の食事ではこれらの成分をとることができない場合に便利です。しかし、サプリをとると、それだけで1日の必要量に近い量をとることができるので、他に魚をたくさん食べたら、DHAやEPAの摂り過ぎになってしまうのではないでしょうか?
たとえば、厚生労働省が推奨しているDHAやEPAの1日の摂取量は1000mgですが、サプリで500mg摂り、食事でもマグロや鰹などを食べて1000mgのDHAやEPAを摂取すると、合計で1500mgものDHAやEPAを摂ることになってしまいます。
朝も夜も魚を食べた場合には、さらに摂取量が増えて、2000mg以上になってしまうこともあり得ます。

また、サプリをとる場合には、カプセルなどで簡単にDHAやEPAを摂取出来るので、分量を間違えると普通ではあり得ないほどのDHAやEPAをとることになってしまいます。子供用のDHA・EPAサプリなどでは、子供が好むようにおいしく味付けをしていたりするので、子供が喜んで、勝手にたくさんのDHAやEPAサプリを飲んでしまうおそれもあります。
このように、DHAやEPAを摂りすぎると、過剰摂取になって身体に悪い作用があるのではないかという問題があります。

どんな副作用が出るのか?

サプリを利用することによってDHAやEPAを過剰摂取すると、副作用が出ることがあるのでしょうか?
その場合、どのくらい摂取すると副作用が出るのか、また副作用が出るときにはどのような症状が出るのか、調べてみました。
まず、DHAやEPAの1日の摂取量は、上限を3g程度とすべきです。
たとえば、欧州食品機関(EFSA)という機関によると、1日のDHA・EPAの摂取量は5gまでとされています。アメリカの基準では1日3gまでであれば、特に身体に問題は起こらないとされています。これらの基準を見てみると、3gまでであれば、特にリスクが発生しない可能性が高いと考えられます。
反対に、1日3g以上とると、副作用が出る人がいます。副作用との内容としては、具体的には吐き気を催したり下痢をしたり、鼻血が出たりすることがあります。

DHAやEPAには血液をさらさらにして流れやすくする作用があるため、摂りすぎると逆に血が止まりにくくなってしまうことがあるのです。
DHAやEPAを摂る人は、身体に良いと思って積極的にこれらの成分をとろうとします。
サプリを飲んで、なおかつ青魚を積極的に食べると、1日3g以上になってしまうこともあり得ます。
DHAやEPAは、普通に青魚を食べている分には、1日3g以上になることはほとんどありませんが、サプリを飲む場合には、過剰摂取にならないように注意が必要です。

過剰摂取しないための方法

DHAやEPAの過剰摂取を避けるためには、魚の食べ方に工夫をすると良いです。
これらの成分は、赤身の魚に特に多く含まれています。マグロやカツオ、イワシやサバ、サンマなどです。
そこで、サプリを飲む場合には、マグロなどの刺身を大量に食べないようにしましょう。
魚は、焼いたり煮たりするとDHAやEPAが少なくなりますが、刺身の場合には大量に残ったままになっているので、少量でもたくさんのDHAやEPAを摂ることになってしまうからです。
また、魚を食べる日はサプリの量を少なくしたり、飲まないようにしたりする方法も効果的です。たとえば、1日の摂取目安が4錠のサプリであれば、魚を食べる量に応じて2錠や1錠などにする工夫をしましょう。
サプリ自体の選び方にも工夫ができます。サプリのDHA・EPA含有量は、商品によってさまざまです。300mgのものもあれば、500mg、700mgのものもあります。
そこで、多くても500mg程度のものにすると、DHAやEPAの過剰摂取にはなりにくくなります。

摂取量に注意が必要な人とは?

DHAやEPAを摂るとき、通常より特に注意が必要なタイプの人がいます。それは、日頃から薬を飲んでいる人です。
問題になりやすいのが、血圧を降下させるための血圧降下剤など、循環器系の薬です。

こうした薬を飲んでいる人がDHAやEPAをとると、ちょっとした傷で血が止まらなくなったり、吐き気や下痢などの症状が出たりします。血圧が下がりすぎてしまうケースも見られます。
これらの症状の原因は、DHAやEPAに血液をさらさらにする作用があるため、循環器系の薬との相互効果によって、血液が固まりにくくなってしまうことなどです。
ただ、薬とサプリの併用によって吐き気や下痢などの症状が出ても、それがサプリの摂取のせいだとは気づかないことが多いです。気づかず併用を続けていると、体調不良が続きますし、大けがをしたときなどには、血液が止まらなくなって危険が生じることもあり得ます。
現在血圧の薬など循環器系の薬を飲んでいるけれども、今後DHAやEPAのサプリを飲もうと思っている人は、サプリを飲み始める前に、一度今かかっている医師に相談することをおすすめします。

まとめ

以上のように、DHAやEPAは、1日1000mgが摂取目安となっていて、実際に日本人はこれに足りていないことが多いので、サプリで摂取する方法は効果的です。
しかし、1日3g以上摂ると、過剰摂取になるリスクがあります。また、現在循環器系の薬を飲んでいる人がDHAやEPAをたくさんとると、特に副作用が出やすいので危険です。
DHAやEPAのサプリを飲むときには、過剰摂取にならないように注意しながら、現在の薬との関係も考えて、適切に服用することが大切です。